法人クレジットカードの基礎知識

法人カードを選ぶ際にどんな点を比較するとよい?

バラエティー豊富な法人カードの中から、各事業者にぴったり合った1枚を見定めるのは容易なことではありません。カード会社もいろいろな事業規模の会社を念頭に置いて、異なる特徴やメリットを持ったカードをいくつも提供しています。では、法人カードをはじめて申し込む事業の場合、どんなポイントを考慮しつつ比較していくとよいかを解説していきます。

1つ目の比較ポイントは「年会費」です。起業したばかりの経営者や、キャッシュにまだそれほど余裕がないけれど法人カードを手に入れたいというケースでは、年会費が無料あるいは格安のカードを選択するとよいでしょう。一方、年会費は高くてもかまわないのでサービスが手厚い法人カードを選びたいという人には、ゴールドやプラチナといったハイグレードのカードをおすすめします。

年会費に関して圧倒的なコストパフォーマンスを誇るおすすめのカードは「オリコEXGold forBiz」です。年会費は2,000円で、初年度は無料といううれしい設定になっています。加えて、0.6%から1.1%という高いポイント還元率も大きな魅力です。さらに、社員向けとして最大3枚まで無料でカードを追加発行してくれますから、支払いをできるだけカードにまとめて経費を管理したいという人にもおすすめです。加えて、オリコと提携したネットショップで買い物をすれば、ポイントの還元率は最大15倍にもなります。提携しているショップにはAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなども含まれていますから、事務用アイテムやPCの周辺機器などを購入する際には大いに活用するとよいでしょう。

2つ目の比較ポイントは「ポイント還元サービス」です。多くの法人カードでは毎月の利用額に応じたポイント還元を実施しています。ポイント還元率が高いかどうかというのはもちろん重要なポイントです。それに加えて、比較を行う際にはポイントの使いやすさも確認しておきましょう。というのも、カードによってはポイント還元率は高いものの、それを活用できる提携ショップが非常に少なく使い勝手があまりよくないというケースもあるからです。また、還元率が月間の利用額に応じて変化するものもあれば、年間の利用総額によって変動するものもあるということも覚えておきましょう。

カードによってはポイント還元ではなくマイルを付与していたり、キャッシュバックを行っていたりします。飛行機を利用する機会が多いのであれば、航空会社と提携して効率よくマイルをためることができる法人カードがおすすめです。一例として、「ANA法人ワイドゴールドカード」は、通常のフライトでボーナスマイルが加算されることに加えて、クレジットカード利用によって付与されるポイントをマイルとして活用することもできるため、大変お得になっています。ただし、マイル加算をしてくれる法人カードはJAL系列とANA系列に分かれているので、どちらの航空会社を利用することが多いかをよく考えてから申し込みを行うことが大切です。

比較に役立つ3つ目のポイントは「発行までにかかる時間」です。法人カードは、カードのグレードにかかわりなく、申し込み手続きから手元へ届くまでに2、3週間かかるケースがほとんどです。とはいえ、忙しく働く事業主としてはできるだけ早く受け取りたいと思うことでしょう。経費管理の簡素化を考えていてできるだけ早く支払いのシステムを切り替えを行いたいというケースではなおさらのことです。ですから、申し込みからどれほど短期間でカードが発行されるのかという点を事前にチェックしておくのは肝要です。1週間以内にカードの発行を受けたいと考えているなら「セゾン・プラチナ・アメリカンエクスプレス」が良いでしょう。

追加カードの発行できる法人カードの選び方

法人カードは事務処理の軽減や経費の削減に便利ですが、多くの従業員を抱える企業の場合、1枚では不十分で、なるべくたくさん追加カードを発行したいということもあるでしょう。従業員ひとりひとりが追加カードを持つことにより、経費が集約されて事務処理の手間を大幅に軽減することも可能です。そのため、追加カードの発行は従業員を抱える企業ほどおすすめなのですが、注意しなければならないこともいくつかあります。ここでは、追加カードを発行できる法人カードについて詳しくお伝えします。

最初に注意しなければならないのが、追加カードの発行枚数です。法人カードには、カード会社によって追加カードを発行できるものとできないもの、また、発行できても発行枚数に制限があるものがあります。まずは追加カードが発行できる法人カードに絞って探すことが大切です。その際、何枚発行するかはしっかり考えて選びましょう。現時点では3人しか使用を想定していない場合、3枚が発行限度の法人カードでもよいと考えがちですが、将来、従業員が増えたり体制が変わって追加カードを持たせたい役員が増えたりした時に困ることになります。

将来のことを考えると、できるだけたくさん追加カードを発行できる法人カードを選ぶ方がよいのですが、1枚追加カードを発行するごとにそれぞれ年会費が発生する法人カードもあります。本カードの年会費より安いですが、何枚も発行するとそれだけコストがかかることは確実ですので、何枚でも発行できるからといって考えなしに作るのは危険です。

なかには、追加カードが年会費無料で発行できるところもあるので、上手に選べばコストをかけずに必要な追加カードを作ることもできます。法人カードを選ぶ際は、追加カードの発行枚数、ならびに、追加カードの年会費を比較しましょう。以下で、追加カードの作りやすいおすすめの法人カードを3つ紹介します。スペックを詳しく比較して、最適なものを選ぶ参考にしてください。

最初に紹介するのは、「三井住友ビジネスカード for Owners」です。こちらは追加カードの発行枚数に制限のない法人カードです。年会費も安く、本カードは1,250円、追加カードは1枚につき400円ですので(どちらも税別)、コストを抑えたい企業にはぴったりではないでしょうか。また、年会費が格安にもかかわらず、海外旅行傷害保険の補償額が最大2,000万円と高額です。カードタイプだけでなく、スマートフォンで利用できるタイプもあるので、所持するカード枚数を増やしたくない若い世代の社員にも気兼ねなく持たせられるでしょう。

次のおすすめは「JCB法人カード」です。こちらのカードも三井住友ビジネスカード for Ownersと同じく、追加カードの発行枚数に制限はありません。ただし、本カードと同じく追加カードも年会費が1,250円(税別)かかります。ただ、オンライン入会によって初年度の年会費を無料にすることが可能ですので、初期費用はわずかで済むカードです。また、ETCカードが発行枚数に関係なく年会費無料で無制限に発行できるため、多くの社用車を抱える企業に最適でしょう。

最後に紹介するのは、「オリコ EX Gold for Biz」です。年会費は初年度が無料ですが、2年目以降は2,000円かかります(税別)。また、上の2枚と違って、追加カードの発行枚数が3枚までと制限されています。追加カードが3枚しか作れないため、なるべくたくさん追加カードを作りたいという企業には向いていませんが、その代わり、付帯サービスは充実です。ポイント還元率も法人カードのなかではトップクラスの高さですから、追加カードは3枚までで十分という方には多くのメリットを感じられる法人カードと言えるでしょう。

法人カードで決済する際のサインはどうすればよいのか

法人カードで決済しようとしてサインを求められた場合、誰の名前を書けばよいかご存知でしょうか?法人の名前なのか、自分の名前なのか迷うこともありますが、法人カードのサインはそのカードの所有者である名義人の名前でなければなりません。名義人でない名前をサインしても決済できないことがあるため、法人カードを使う際は注意しましょう。そこで、法人カードのサインでよくあるトラブルとその対処法を見ていきます。

よくあるのが、上司に法人カードで買い物を頼まれるケースです。カードを渡されて「取引先に持っていくお菓子を買ってきてくれ」などと頼まれることはよくあるでしょう。その際、お店でサインを求められた時、自分の名前をサインしてしまうと、「カードの名義人と異なるので利用できません」と断られてしまうことがあります。

利用を断られるのは、クレジットカードはその名義人本人しか使用できないという決まりがあるからです。実際はお店の人が気づかずにそのまま決済できるケースもありますが、カードの名義とサインが違う場合、カードの使用が断られる可能性が高いことは覚えておきましょう。

この場合、カードの名義人の名前をサインすれば何事もなく決済できることが多いです。しかし、カードを使用した本人とカードの名義人が違うというのは、本来であれば規約違反であり、望ましくありません。頻繁に法人カードで買い物を頼まれるのであれば、自分用の追加カードを発行してもらうようにしましょう。

次に、ネットショッピングで法人カードを使うケースを考えてみましょう。Amazonや楽天市場などで会社の備品を購入する機会は少なくないですが、この際、サイトのアカウントの名義と使用しようとする法人カードの名義が異なると、決済を拒否される可能性が高いです。

実際に、この方法で通販サイトで法人カードを使って決済しようとすると、ショッピングサイト側がクレジットカード会社に承認を取ろうとした時に、名義に相違があるとして決済できないというメールが返ってくることがあります。

数百円程度の支払いであればチェックされずにそのまま決済されてしまうこともありますが、1万円を超えるような高額な支払いの場合は、サイト側も必ず名義を確認するため、アカウント名とカードの名義が異なる場合は決済ができません。盗難カードかもしれないと疑われる可能性もあるので、ネットショッピングの際は注意しましょう。

これに対処するには、サイトのアカウント名と法人カードの名義を同じにすることです。上司に頼まれてネットショッピングをするのであれば、自分のアカウントではなく、その上司のアカウントを使って買い物してください。

自分名義の法人カードでも、結婚や離婚等によって苗字が変わるなどした際は、そのカードを使って決済できなくなることがあります。もちろん旧姓をサインすれば以前と同じく利用可能ですが、アカウントもすべて旧姓に統一しなければならないためおすすめできる方法ではありません。苗字の変更があった時は速やかに名義変更の手続きをしましょう。

なお、個人用のカードであればインターネットで名義変更ができることもありますが、法人カードの名義変更は本人が窓口に直接電話しなければならない可能性が高いです。代理では名義変更できないことがあるため、必ずカードの名義人本人が連絡してください。

以上、法人カードで決済する際のサインについて解説しました。決済できないのは、カードの名義人とサインの名前が異なるからです。法人カードでの買い物を頼まれる機会が多いのならば、自分名義の追加カードを発行してもらうなどして、名義の不一致が起こらないように対処しましょう。

法人クレジットカードを選ぶなら!ランキング発表!!

法人クレジットカードは、企業の会計処理をスムーズにしてくれ、キャッシュフローを円滑に進めるのに大きな役割を演じてくれます。しかし、一口に法人クレジットカードと言っても、かなりの数のサービスがあって、どれを選んだらいいのか迷ってしまうことも少なくありません。実際、事業規模や全体の決済金額、利用したいサービスの内容などによって大きく選択肢が変わってきます。それぞれの会社のニーズに合った一枚を選ぶことが肝心だということです。

とはいえ、特にこだわりがないということであれば、年会費や発行枚数、付帯サービスなどがバランスよく配慮されているものが使いやすいでしょう。そこで、ここでは一般的なビジネスユースに強い、バランスの取れた法人クレジットカードをランキングでご紹介します。どの企業もしくは個人事業者にも受け入れやすいものですので、じっくりとそれぞれの特徴を比較してカード選びの参考にすることができます。

1位 セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカンエキスプレス
ランキング1位はいきなりプラチナカードとなっています。一見すると、ちょっとプラチナまでのステータスはいらない、一般サービスでいいと考える人もいるかもしれません。しかし、このカードは非常にバランスが取れていて、どの面でもお得感の強いサービスとなっているのです。まず年会費は20,000円となっていて、200万円以上の年間利用があると10,000円となります。付帯サービスとしては、最大で1億円もの旅行保険が付きますし、プライオリティパスという世界中の空港ラウンジが無料で使えるサービスが提供されます。これだけでも十分年会費分は元が取れます。さらに、コンシェルジュサービスが付きますので、カード利用やビジネスに関する様々な丁寧なサポートを受けられるのです。また、JALのマイルが1.125パーセントという高い率で付くというのもすごいところです。

2位 アメリカンエキスプレス・ビジネスカード
このサービスは、初年度無料の年会費、2年目以降は12,000円という比較的リーズナブルなものです。それでいて、サービスはどの面でも充実していて、気軽に良質のクレジット機能を使えるというメリットがあります。まずポイント還元は利用金額に応じて0.3パーセントから1パーセントまでとなっています。また、旅行保険は最大で5,000万円が補償される契約となっていますので、十分な内容です。空港ラウンジ無料の特典もあって、カード所有者本人だけでなく同伴者も1人まで無料になるという制度になっていますので、ビジネスシーンではとてもありがたいものです。

3位 JCB法人カード
オーソドックスなタイプで、お得に使えるものを選びたいのであればおすすめ度が高いサービスとなっています。初年度年会費無料ですので、気軽に持てるのが一つの魅力です。そして、ETCカードも無料となっていて複数枚発行してくれますので、自動車を利用することが多い会社にとってはありがたいものがあります。このカードは、ポイント還元とキャッシュバックによる還元のどちらかを選べるという制度を設けています。おすすめなのはキャッシュバックで、なんと最大で利用金額の3パーセントものキャッシュバックが行われます。コストを削減するうえで大きな助けとなるツールとなります。

4位 ダイナースクラブビジネスカード
年会費27,000円ですが、追加会員の年会費が無料という非常にありがたいサービスを提供しています。しかも枚数の制限がないので、複数枚持ちたい会社にとってはうれしい制度です。国内外の旅行保険が充実していて、最大1億円の補償がありますし、空港ラウンジが無料になります。しかも、追加会員分も無料利用が可能となりますので、かなりコスパに優れています。複数枚カードを発行したいケースで便利なサービスと言えるでしょう。

法人カードとは?そのメリットとは?

今や現代社会の生活においてクレジットカードというのは、欠かせないサービスとなっていると言ってもおかしくありません。毎日の買い物や大きなショッピングなどをより便利にしてくれますし、ポイント還元によってよりお得に買い物ができるようになります。こうしたサービスを活用できるのは、個人だけではありません。株式会社や有限会社、個人事業者といった事業者も利用できるのです。それが法人カードです。厳密に言うと法人カードは、「コーポレート」と「ビジネス」の二つに分けることができます。このうち「コーポレート」は大企業向けのサービスで、「ビジネス」は中小企業や個人事業者向けのものとして提供されます。

法人カードとは?という質問に答えるためには、個人向けのサービスとの違いを把握するのが一番です。まず、サービスを利用するための名義人は個人名ではなく、企業名となります。また、利用代金が引き落とされる銀行口座も、個人名義のものではなく、企業名の口座であることが求められます。もう一つの違いは、個人では利用できるキャッシングが企業向けのサービスでは不可能となるということです。こうした違いが基本的な法人カードの特徴となります。

これに加えて、企業向けならではのサービスが追加されることになります。たとえば、企業はクレジットを経理作業の簡素化という目的で使うことが多いので、それをサポートするために、クレジット利用代金の明細を一元管理できるプログラムを提供しているケースがほとんどです。利用した代金の細目を分類したり、自動的に企業が使用している経理ソフトにデータを流し込めるようにしているのです。また、個人向けのサービスでは、家族会員向けに数枚程度のカードを発行することができますが、企業向けではさらにその発行枚数が多くなります。より多くの社員が同時に決済ができるようにするためです。

こうした特徴を持つ法人カードですが、利用にはたくさんのメリットがあります。まず、クレジット利用とすることで、キャッシュフローをスムーズにすることができます。現金支払いではなくクレジット決済となれば、実際の支払いを翌月もしくは翌々月まで伸ばすことができますし、分割払いにすることも可能です。いわば融資を受けているのと同じような効果を生み出しますので、手元に資金がなくても商品を仕入れたり、次の収入確保までのタイムラグを埋めたりできるのです。

もう一つのメリットは、事業者としての信頼度をアピールできるという点です。いわゆる新参の事業者だと信頼がないため、売掛に応じてくれないことも多くありますが、クレジットサービスを受けられる立場にいるということを示せますので取引先に安心してもらえます。また、知名度の高いクレジット会社のゴールドカードなどを持っていれば、それだけでも信用状況が高いと思ってもらえますので、無言のうちに相手の信頼を勝ち得ることにつながります。

この効果を最大限に活用したいと思っているのであれば、ちょっと年会費の高いステータスの良いサービスを利用するのがベストでしょう。信用を得られるというのは、年会費を払うだけの価値があるものなのです。

実務的なメリットとして大きいのは、経理処理を簡素化できるということでしょう。決済が必要になるたびに現金を社員に渡して、それを毎回記帳していくというのは煩雑な作業となります。しかし、法人カードを持っていれば、その手間をなくすことができます。実際の支払いとなる銀行引き落としは、すべての取引で同じ日になりますので、支出に関する記帳もかなり楽になります。しかも、データはデジタルで直接クレジット会社から送られてきたものを、自社で使っているソフトに落とし込めるので、入力作業自体が大幅に簡素化されます。